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事例5 株式会社 東京創元社様 代表取締役社長 長谷川 晋一 様  インタビュー 

30余年鍛え上げたシステムから「Publisher-Plus」へ

東京創元社はミステリー・SF専門の出版社として見られがちだが、一般文芸、教養書、歴史事典、個人全集なども手掛けてきた、創業64年の総合出版社である。吉田満『戦艦大和ノ最期』(1952年)、谷川俊太郎『二十億光年の孤独』(1952年)など、それぞれのジャンルで歴史に残る名作を世に送り出してもいる。「創元推理文庫」の創刊を機に、日本の「ジャンル小説」の第一人者として、出版界に大きな足跡を残している。そうした歴史と実績を持つ同社が、1980年代からオフコンで運用してきたシステムを、2012月4月、Publisher-Plusに切り換えた背景を、同社代表取締役 長谷川晋一氏自らが語った。

東京創元社の創業は1948年まで遡る。大阪の出版社、創元社の東京支社が独立する形で「創元社(東京)」として出版活動を始めた。当初は、一般文学から純文学、社会科学叢書、哲学書、辞典類。各種全集など多岐にわたる作品を世に送り出してきた。東京創元社に改組後の1959年に「創元推理文庫」を創刊。海外の名作ミステリー小説を翻訳、紹介する「文庫」というスタイルが、ミステリー小説ファンの圧倒的な支持を受け、「ミステリーの東京創元社」というイメージを不動なものとした。

オフコンを鍛え上げた30年で見えてきたもの

64年にわたる歴史を有するだけに、膨大な出版物を管理するためのシステム化の動きも早かったようだ。商品管理、経理業務では1980年代からオフコンによる専用システムが稼働。2004年には受注管理にオープン系のシステムを導入した。システム化の遅れている出版業界において、30年以上のシステム化実績を持っていることは特筆に値するといってもいい。 商品管理の現場にオフコンが導入されて以来、複雑で細かな出版業界の商流に最適化するために、改良に改良を重ねた同社のシステムは、既に高いレベルに達していた。しかし、オフコン特有の小回りが利かないといった問題は改善されないままだった。また、書店の販売データの管理及び分析にいたっては、異なるベンダーが開発しており、別途サーバをたて、各々でシステムを運用している状態であった。


株式会社 東京創元社様
代表取締役社長 長谷川 晋一 様

「各システムで改良を重ねてきたので、その業務の担当者にしかわからない、開発したベンダーのSEの世代交代などでプログラム改修のための解析に時間がかかってしまうなど、『万が一』のときに先方もこちらも対応できなくなってしまうということを回避するため」とPublisher-Plusの導入背景について長谷川氏は語った。

現場スタッフを巻き込んだシステム開発

昨今のシステム市場を考えると、資金が潤沢にあれば、どこのベンダーでも同じシステムが作れる環境にある。 同社も今回のリプレイスにあたっては3社のベンダーから意見を聞き、コンペに参加してもらったという。その中で、なぜ弊社のPublisher-Plusの導入を決意したのだろうか。 「オルトさんの『Publisher-Plus』のパッケージ自体が、弊社の既存システムの機能をほぼ網羅しておりました。また導入を検討していた機能も既に実装されておりました」とPublisher-Plusの完成度の高さを評価している。

また、長谷川氏が一番印象に強かったのは、「(システム構築に際しては)社員の方にも打ち合わせに参加していただきます」という弊社のプレゼン内容だったという。様々な部署のスタッフと綿密に打ち合わせをしていきながら、システムを構築していく弊社の姿勢に好感度を抱いたようだ。

現場効率の向上は経営効率の向上でもある

システムローンチは今年の4月1日。半年経った今、リプレイスの効果ははっきりと現れているという。 それまではオフコンの専用端末でしか見られなかったデータがどのPCからも見られるようになり、格段に業務効率が向上しているという。個人個人の権限設定管理がしっかりできているため、ストレス無く誰でもがシステムを気軽に操作できる環境が出来上がったため、それまでシステムにさわることの無かったスタッフも操作するようになった効果は大きい。「それを人件費に換算すると結構な数字になると思います」(長谷川氏)。

また、オフコン環境下では、月次の更新を行うのにも何時間もかかっていたのが、今は瞬時にできるようにもなった。「経営者側としてはとにかくデイリーで売上が見られるのは大きな意味があります。これまでのシステムは、更新作業を行なわないと売上が見られませんでした。現在では、朝には前日の売上が確認できるようになっています」(長谷川氏)。

コスト面についても、好評価だ。オフコンからPCのサーバに変えるということでコスト削減を実現し、複数のベンダーから1社に絞り込んだことによる、保守費用の削減効果も目に見えて出ている。そういった点からも、今回のリプレイスにあたって、弊社に集約した意味は大きかったようだ。 「これも何度も言っていますが、これからも各担当セクションが節目節目で『こうしたい』とか『こういうものを追加したい』というときに、即座にフレキシブルに、リーズナブルに(笑)対応していただけるとありがたいなと思っております」(長谷川氏)。

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